丸岡いずみも経験…震災後の精神疾患とは?どんなケアが必要?

今も記憶に残る2011年3月11日の東日本大震災…。たくさんの犠牲者・被害をもたらし、多くの人々の心に大きな傷跡を残しました。被災地の方々は様々な面でご苦労をされたことと思います。

著名なアナウンサーである丸岡いずみさんも仕事で被災地を度々訪れ、取材を重ねる中で、震災後の精神疾患を発症してしまったそうです。凄惨な状況の中で、助けたくとも様々な理由でそれが出来ない無力感、また遺族の深い悲しみ、日々積み重なっていく心身の疲労…そんな中で毎日を送るのは本当に大変なことだったろうと感じます。

甚大な被害を受けた被災者の方々、また関係者の方々には心よりお見舞い申し上げます。

今回は震災後の精神疾患とはなにか?どんなケアが必要なのかを調査し、まとめてみました。現代は精神疾患を抱えている方が多いと言われています。ぜひ参考にしていただき、皆さまが元気に楽しい毎日を送っていただけたら幸いです。

丸岡いずみも経験した震災後の精神疾患とは?

大きくとらえると、心的外傷後ストレス障害(PTSD)とうつ病、不安障害の3種類があります。

多くの場合、時間の経過とともに少しずつ回復していくと言われています。

それぞれの特徴などピックアップしましたので、ぜひご覧ください。

心的外傷後ストレス障害(PTSD)

家族や友人など大切に思っている存在を突然失ったり、マイホームなどコツコツと積み上げてきたものが一瞬にして無くなったり、その時の心理的負荷は想像以上に大きいものだと思います。

PTSDとは、ひどく衝撃的な出来事(トラウマ)を体験したあと、その時の体験・記憶を思いだしたり、夢に見たりして1ヶ月以上の時間が過ぎても改善されず、日常生活に支障が出る状態で、非常に強く辛い反応です。症状としては侵入症状(悪夢やフラッシュバック)、回避症状(トラウマに関連する物事を執拗に避ける)、思考や気分に対する悪影響(外傷的出来事の重要な部分が思い出せなくなる等の解離性健忘など)があります。

不眠や集中力低下、ちょっとしたことに過敏になるなど、心身の不安定さが見られます。またアルコールやドラッグなどで辛い思いを和らげようとし、依存症を発症してしまう方もいます。

震災うつ病

震災をきっかけに発症したうつ病を指します。被災によって生じる心理的問題は殆んどの場合正常な反応で、ある程度時間が経てば改善されます。しかし大きなショックを受けPTSDや不眠などの心身の負担が続き、うつ病を発症してしまう方もいます。無気力・無表情・悲嘆・悲哀・不安・焦燥・苛立ち・食欲不振・抑うつ状態・身体の不調などが見られます。

被災後のストレス反応が1ヶ月以上続いている場合には、早めに最寄りの市町村保健センターや保健所、精神保健福祉センター(こころの相談電話)などへ相談してみてください。また、専門的な知識を持つ精神科・心療内科などに行き、心身の負担を軽減するために治療をスタートするのも良いかと思います。早めに相談し、個々に合った治療を受けることで、より効果的に心身の負担を和らげることができるそうです。

不安障害

不安障害とは、日常生活に支障が出るほどの強い不安や恐怖を感じる状態・反応です。

不安を感じるものや症状の出方は様々で、全般性不安障害やパニック障害、社会不安障害、強迫性障害などが含まれます。精神的な不安から、心と身体に様々な不快な変化(動悸・めまい・集中力低下・不眠・震え・過度の緊張・頭痛・吐き気・下痢など)をもたらします。いずれにしても、医師や臨床心理士などと相談しながら、焦らず一歩一歩治療を進めていくことが大切です。

震災後の精神疾患に対するケアとは?

震災後の精神疾患は様々なものがあり、個々によってその表れ方は違いがあります。しかしながら『寄り添う』ということの大切さは、どのような疾患に対しても共通するケアなのではないかと言われています。具体的に良いと考えられている対応を以下にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

  • 「語り」の尊重
  • 不用意に悲嘆に踏み込まない
  • 寄り添うこと
  • 遺族のニーズに合わせる
  • 遺族のペースに合わせる
  • ケアする側の限界を知る

「語り」の尊重とは

被災者の気持ちをそのまま受け止めることです。心のケアの基本は傾聴することと言われています。支援者が落ち着いて対応し、ありのままを共感する態度で接していくことが大切です。

不用意に悲嘆に踏み込まない

他者に共感してもらうことで負担が軽減される方もいますが、被災者の中には話をすることでかえって辛い思いをしてしまう方もいます。できれば辛い気持ちを一人で抱え込まないように配慮していきたいところですが、被災者の状況・状態をよく考えて無理に聞き出すことの無いようにしましょう。

寄り添うこと

被災者の辛い状況を理解・共感し、寄り添うことは被災者の心理的負担を和らげる効果があると言われています。精神疾患への正しい知識を持ち、意見することを控え、話をじっくり聞いてあげましょう。また、支援者は治療者ではなく協力者なので、場合によっては医療機関に繋げるサポートをしていきましょう。いずれにしても静かに見守り支える姿勢が重要です。

遺族のニーズに合わせる

被災者によって問題・課題は様々であり、よく話を聞いて要望を聞き取っておくことが大切です。優先する支援やサポートを見極め、効果的に心のケアを進められるといいですよね。

遺族のペースに合わせる

深い悲しみに覆われた遺族にとって、時間の流れは普段とは違ったカタチとなることが多いです。時間が止まったように感じられる方が多いかと思います。遺族のペースに合わせ、焦らず一歩一歩伴走していきましょう。

ケアする側の限界を知る

必要に応じて専門家の助言を受けながら支援することが大切です。専門家に橋渡しするのも支援者の重要な役割です。

丸岡いずみは震災うつをどのように治療したのか?

体育会系だった丸岡いずみさんは、自分が震災うつ病になるとは思わなかったそうです。

「心の風邪」なら自力で治すと精神科医に処方された薬も飲まなかったとのこと。

しかし病状は次第に悪化。精神科の入院治療・薬の服用でようやく回復に転じたそうです。

また、被災地の方々からの励ましの手紙・家族の支えが寛解への後押しとなったと感謝を伝えています。そして「休むことも生きること」と父親から言われたことが心に響いたとインタビューで答えていました。

東日本大震災で被害を受けた有名人は?

東日本大震災で被害を受けた有名人はたくさんいらっしゃいます。中でも野球選手の佐々木朗希選手は岩手県陸前高田市出身で甚大な被害を受けたとのこと。9歳の時に東日本大震災による津波で父親・祖父母を亡くしたそうです。実家も津波で流され、母親の親戚を頼って大船渡市に移り住んだそうです。大きな悲しみを乗り越え、現在野球選手として活躍されている姿を亡くなられたご家族もきっと喜んでいるでしょう。また、現在人気急上昇中の若手俳優・宮世琉弥 東日本大震災の津波で自宅を失い、自身も流されそうになった経験から、被災者の一人として東日本大震災を扱った作品に携わりたいという願望を持っているそうです。まだ19歳という年齢ですが、様々な経験をされて人間性を大きく開花されたのではないかと思います。

まとめ

今回は著名なアナウンサーである丸岡いずみさんも経験した震災後の精神疾患について調査しました。精神疾患はどんな方でも起こりうるものです。正しい知識や心のケア、専門の医師による個々に合った治療が必要です。災害で大変な状況を目の当たりにしなければならなかった被災地の方々・関係者の方々の思いに、共感し寄り添うことは非常に大切なことだと感じます。今後も被災者の方々の思いに共感し、風化させずにできる限りの支援を皆で続けていけたら…と願っています。